第12章 愛の鞭と、レモンと母と
私が魚沼から、カカシの家に戻ってきてから 三日が経過した。
やはりここでの生活が落ち着く。
しかし、私の胸には、未だ抜けない棘のようなチクチクとした痛みが残っていた。
この数日、考えていたのだが。
この棘を。強引にでも抜いてみる事にした。
『という事で、明日魚沼に行ってきます』
「な、なんで…」
「そうなるの、、」
夕飯を囲んでいる二人は、驚き…というよりも呆れ顔を浮かべている。
『このままじゃ…私、納得出来なくて…
女将さんにもお世話になったのに、何もお返し出来ていませんし。
それに新しく住み込みの人が採用されれば、またバッテラの被害に合うかもしれません』
今回、私は運良く実害は受けていない。しかし根本的なところでは何も解決していないのだ。
「あの店には近付くな」
「そうだよ。エリ、君も分かってるでしょ?
もしあの時、俺が助けなかったら君犯されて」
「おいなんだその話!俺は聞いてないぞ」
サスケには、聞かせなくていい話は聞かせていない。しかし彼は怒って、箸をテーブルに叩きつけるように置いた。
『う、…分かって、います。
だからこそ!私は彼に会いに行こうと思います』
「バッテラに会いに?」
『はい』
「……」俺は無視か
カカシは半ば諦めたように言った。
「…はぁ。君は本当に…頑固だからな…止めても聞かないでしょ。
確認だけど、もうあそこで働こうってわけじゃないんだよね?」
『はい。もうあそこで働く事はありません。
それは約束します』