第12章 愛の鞭と、レモンと母と
『私は自分一人だけが、どれだけ幸せになれたとしても。
周りの人間が不幸なままなんて、絶対に嫌です。
もし目の前に苦しんでいる人がいたとして…
もし私が何か働きかける事で、その人たちが幸せになれるなら。私は喜んで動きます。
だって、それが私自身の幸せに繋がると思うから…』
「…強欲」
とサスケ。
「な、上にお人好し」
とカカシ。
『…うぅ…、ひ、否定はしません』
私は胸に刺さった、見えないを矢で大ダメージを受ける。
「でもま!君らしいよね
なんだか、エリが言うと、そんな人生もありなのかなって。
思えてくるから不思議だ」
「別に…俺も、否定はしない。
だがまぁ、俺とカカシはアンタに助けられるほどやわじゃないからな。
勘定から外しとけ」ふん
…伝わった。のだろうか。
カカシとサスケの笑った顔をみていると、こんな甘い考えの私が受け入れられたみたいで嬉しい…。
「ところでさ…」
カカシが、突然ガシっとサスケの肩を組んだ。
そのままの至近距離で、そして小声でサスケと会話を始める。
私に聞かれたくない話でもあるのだろうか…。
「サスケ、明日って七班の任務だっけ?」
「そうだ」近い。離れろ
「なるほど…りょーかい」
短い会話を終えたようで、カカシはサスケを解放する。
「エリ。ちょっと今から出掛けてくる」
『分かりました。
あ…はたけさん』
「ん?」