第11章 鰹と抱擁と、仲直りと告白と
『ミナっ…。四代目様、こんにちは』
「はい、こんにちは。凄いな、エリは鰹が捌けるんだね」
危ないところだ。先日のようにミナトさん。と呼んでしまうところだった。さすがにそれは良くない気がする。
他の人がいるところでは、皆んなと同じ呼び方をしておいた方が無難だろう。
『捌ける、みたいです』
「あはは、なにその他人事みたいな」
「エリちゃんは、四代目と随分と親しげだね」
そう言ってから女将さんは、まるで気を利かせました。と言わんばかりに私とミナトから離れて行った。
『ミナトさん、火影様なのに商店街で買い物するんですね』
「いや、普段 買い物は初音がするよ。今日は君の様子を見に来たんだ」
一体、どこから情報を仕入れたのか…。私がここで働いていると露呈するのが早すぎやしないだろうか。
「………」ふむ
『?』
ミナトは、後ろをやけに気にしていた。
その様子を見て、私はある事を思い出す。
彼が見つめるその方向は、昨日サスケが見ていた方向と全く同じだったのだ。
『…あの、そっちに何かあるんですか?』
「ん、あぁ。ごめんね。
あそこにカカシがいるものだから、つい」
『え!!』
いや、そんな事はあり得ないだろう。カカシは今私に怒っている、はずである。
私の様子を見に来てくれているなんて…
そう思いかけて、すぐに考え直す。
『あぁ…たまたま あそこに用事があるとか、そういう事でしょうか?』
「あはは!まさか。君を見てるんだよ」
『………』いやいや