第2章 優しい死神と、おにぎりと大根と
「今日は色々と疲れたでしょ。
早く休むといいよ」
カカシがそう言うと、座っていたサスケも退室しようと立ち上がる。
『待って下さい、教えて…欲しい事があります』
「…いいよ?もちろん。
俺も君に根掘り葉掘り色々と聞いちゃったからね。お返しに」
カカシが座ると、退室をしようとしていたサスケもその場に座り直した。
どうやら付き合ってくれる気があるらしい。
『どうして…私に、ここまでしてくれるんですか?
明らかに面倒ですよね。自称 異世界人なんて』
異世界人。この言葉にサスケは特に驚く様子はない。
という事は。 私が眠っている間に事のあらましは彼から聞いているのだろう。
『病院に連れて行ってくれたのはともかく、こうして自宅に連れ帰って、見ず知らずの怪しい奴を一泊させるって…
どう考えても、“人が良い”って範疇を越えていませんか?』
「一泊?君はしばらくここに暮らすんだよ?」
『「えぇ!?」』
私とサスケの声が見事に被る。どうやら、この件に関する説明は 彼も受けていなかったらしい。
『……ますます、分からない…』
私は頭を抱えて考える。
自分が彼の立場ならどうだ?
見知った道で、行き倒れた人に出会う。まぁすぐに病院に連れて行くだろう。
しかし普通そこまででは!?
目が覚めるのを待って事情を聞いて…。異世界人だと のたまう怪しいその人に。
私はどこまで出来るだろうか…
もしかしてこの人は…
聖人かなにか、なのでは!?
「…君を助けた理由なんて、単純な事だよ」