第9章 命の使い道と、運命とプロポーズと
「俺は、君に恋に落ちた」
「あーー…」言ったよこの人
『…え』
青い瞳から、目が離せない。
私はいま何かの忍術にかけられているのだろうか。
「口寄せをするって決めてから、準備を始めてから今日まで。
君に会えるのをずっと楽しみにしてた。
実際の君は、俺が予想してたよりも素敵で面白かった。
美味しそうに物を食べる所も、贈り物をなかなか受け取らない所も。あと顔の造形も俺好みだし!
あと一番は…さっき、怒ってくれた事。
そうだよね…俺がクシナの代わりに死にたいと思っているなんて彼女に知られたら…
きっと思いっきり殴られる。
そんな事に俺は気付けなかった。きっと、死と向き合ってきた君だからすぐに分かったんだろう。
そんなところも、全部引っくるめて君が好きだよ。エリ。
俺と、一緒になってくれないか?
きっと俺達は、運命で結ばれてると思うよ」
逃れようのない、純粋な好意。
「………」
「どう、かな?」
こんな言葉を、真っ直ぐにぶつけられたら…。
『か…数ある候補の中のひとつとして…考えておきます』
はぐらかすしかないじゃないか!!
恥ずかしい!絶対顔赤い!!
「…」ほ
「あーー…やっぱ駄目か!どうして?今日の俺とのデート楽しくなかった?」
『た、楽しかったですよ!っていうより、もう完璧でした…』
「完璧なのに、駄目なの?」
『えっと私、別に完璧な人が好みというわけではないので…』