第2章 理由を求めて※
『私は貴方の為にここまでしたの…』
降「本当の目的は何ですか!」
『零……愛してる』
零は目を大きく見開いて
驚いた顔をした
あの時、言えなかった言葉
あの時、零がくれた言葉
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零が初恋の相手、
エレーナと言う人物を探していた頃
私も零には内緒で色々な情報を集めた
先に見つけて驚かしてやろうとか
そんな可愛い事を思っていたわ
その時に組織の事を知った
エレーナは事故で死亡している事も
知り、その事実を零に言えなかったわ
私は組織の実態がどんなものなのか
知りたくて、知りたくて堪らなかった
欲を満たすかの様に集めた情報
小さな事から大きな事まで…
調べていくうちに
組織がどれだけ危険な存在か
気付いてしまった
だが、気付いた時には遅かったんだ
もう引き下がる事が出来ない
そんな中、零が私に
「愛してる」と言った
「愛してる」の言葉の重さが
当時の私には怖くて、重苦しくて
同じ様に零に伝えれずに
ただ笑顔を返すだけだった
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今だから言える
『零……愛してる
あの時は怖くて言えなかったの
今はちゃんと言えるわ…
今でも零を愛してる』
零は構えていた拳銃を
テーブルの上に置いた
降「…今更、遅いんですよ」
冷たい言葉を放ったかと思えば
荒々しく唇を奪われた
舌が差し込まれ口内を動き回る
歯列をなぞり
舌を絡め取られ酸素を奪われる
激しい口付けに
思考回路が止まってしまった
唇が離れると
大きく酸素を吸った
零はテーブルに置いていた
シャンパングラスを持つと
私の服に中身を溢した
降「服は弁償します…
…ただ、今は貴女を抱く理由が欲しい」
零は困った様な
悲しい様な…それでいて
熱を帯びた表情をしていた
『…そうね…
服を着替えたいのだけれど…
手伝ってくれるかしら
あちらのベッドルームで…』
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