第2章 理由を求めて※
全ては私のシナリオ通りに
事が進んでいる
あのUSBメモリが
零の元に渡り
きっと今夜くらいかしら、
零が私の元を訪ねて来るだろう
私は1996年物のドンペリエノテークを
グラスに注いだ
グラスを傾けて
味わいながら飲んだ
その時部屋のチャイムが鳴った
グラスを置いて
ドアを開けると思った通りの人物が。
部屋の中へ通すと
ドアを閉め鍵をかける
降「どう言うつもりですか」
『どうって…』
降「何故彼女に接触したんですか」
私が彼女に接触した事を
相当怒っているみたいで
『別に手を出してないじゃない?』
降「二度と彼女に関わらないで下さい」
あらあら…
まぁ、今のところは
彼女に接触する事は無いから
いいのだけれど
『安心してよ、何もしないわよ
…取り敢えず座ったらどうかしら?』
私は零をソファに案内して
隣に座った
『…それで、情報は満足したかしら?』
降「何処であの膨大な量の
情報を得たんですか?」
『零は知らないだろうけど…
私、ジンとも仲が良いのよ』
零が右手をジャケットの内側に
入れたかと思えば
それを引き抜き瞬時に
私の頭に硬いものが突き刺さる
零が右手で構えた拳銃が
頭に突き付けられていた
降「何を考えているのか全て話せ」
『話さなかったら
私を撃つつもりなのかしら…?』
零の左手が私の胸倉を掴み
そのまま後ろへ押し倒された
眉間に拳銃を突き付けられる
『零…』