第2章 〇〇の秋
広げられたお弁当はどれも美味しそうです。
「ノラさんって凄いのね」
「シェフなんだから、これくらい出来て当たり前よ」
エミリーさんは卵焼きをほうばりながら言いました。
「けど、エミリーとノラさんって、とっても仲良いのね」
「ただの幼なじみなだけよ
ノラさんって年上なのに頼りないのよねぇ
まぁお互い料理好きで話は合うけど…」
二人は仲良くお弁当を食べながら話が弾みました。
そこに一羽の鳩が飛んできました。
「こんにちは
エミリーさんに伝言預かってきました」
「ありがとう、ポッポさん
そうそう、新しく越してきたうさぎさんよ」
エミリーさんがうさぎさんを紹介しました。
「初めまして、伝書鳩のポッポです
伝言があれば、どこへでもお届けしますよ」
「わたしは三日月うさぎ
よろしくね♪」
ポッポさんはエミリーさんに伝言を渡して飛んでいきました。
「伝言ってな~に?」
うさぎさんが聞きました。
「銀さんからケーキの予約だわ
銀さんは甘い物大好きなのよ」
伝言は狐の銀さんからケーキの注文でした。
「食欲の秋だから、エミリーやノラさんは大忙しね」
「そうなのよ
ゴンさんに会う暇もないわ」
エミリーさんは肩を落としました。
「あっ、ゴンさんなら明日うちに来るわよ」
「え~っなんで!?」
「棚を付けてもらいたくてお願いしたの
エミリーも来たら?」
うさぎさんはエミリーさんを誘いました。
「明日は朝から忙しいのよ…
はぁ…なんで今日じゃないの…」
エミリーさんは溜め息をつきました。