第13章 第十三話 ノラさんの過去
「お師匠さんの調味料?
じゃあ、そのお師匠さんのとこに行ったのね
で、ノラさんのお師匠さんってどこにいるの?」
うさぎさんはエミリーさんに尋ねました。
「ノラさんの師匠って、もう死んじゃってるの…
だから、たぶん調味料の材料を探しに行ったんだと思うわ」
「じゃあ戻るまで待つしかないわね」
うさぎさんもエミリーさんも元気なくお店の前で佇んでいました。
そこへ狼のジョーさんがやって来ました。
「よぉ、ノラはいるか?」
ジョーさんは二人に聞きました。
「しばらく帰ってこないみたい…」
「ん?どうしてだ?」
エミリーさんは調味料の話しをしました。
「あぁ、あの調味料か…
北の谷にしか実らない木の実がいるらしいな」
ジョーさんはその調味料の材料を知ってるようです。
「なんでジョーさんが知ってるの?」
うさぎさんが首を傾げました。
「…前にノラから聞いた事がある
師匠と一緒に北の谷に調味料の材料を取りに行ったってな
危険な場所じゃないし三、四日したら戻るだろう」
ジョーさんは北の方を向いて答えた。
「へぇ、ジョーさんには師匠の話しするんだ?
私にはほとんど話してくれないのに…」
エミリーさんはちょっと拗ねたように話しました。
「ふっ、かなり厳しい師匠だったらしいから、話したくないんだろ?
…知りたいなら、俺よりゴンの方がよく知ってる
…ノラがいないなら俺は帰るぜ、じゃあな」
ジョーさんは森の中に帰って行きました。