第12章 第十二話 うさぎさんのお父さん

「みんな、ありがとう」
ゴンさんがお礼を言いました。

「おっ！そうじゃ」
源さんが何か思いついたようです。
「ゴンの看病はうさぎさんにお願いできんかな？」
「えっ？私が？」
うさぎさんは突然の話しにびっくりしています。
「そうじゃ、怪我したゴンの看病をしていれば、父親も連れて帰るとは言えまい」
源さんの話しに周りはざわめいています。

「えっ？うさぎ、田舎に帰えっちゃうの？」
エミリーさんが心配そうな顔をしています。
「………」
ノラさんはどこか遠くを見詰めているようです。
「源じぃ、うさぎさんが田舎に帰るのと、俺の看病の何が関係あるんだ？」
ゴンさんが聞きました。
「来月、うさぎさんの父親が来るそうじゃ
それがどうも、うさぎさんを連れて帰るためらしい…
だから、うさぎさんがここに残れるように仕事をしてもらうんじゃよ」
源さんが訳を説明しました。

「…そう言うことなら、うさぎさんにお願いするか」
ゴンさんは、チラッとエミリーさんを見てから言いました。
「私達も協力するわ
うさぎと離れたくないもん
ねっノラさん！」
エミリーさんは、まだ呆けているノラさんの尻尾を引っ張りながら言いました。
「みんな、ありがとう…」
うさぎさんはみんなに頭を下げました。