第10章 野山のお月見
搗きたてのお餅で団子を作り、ノラさんの料理やエミリーさんのデザートも並べて月の出るのを待ってます。
日も暮れてしばらくすると、山の間から月が顔を出し始めました。
「月が出てきたぞ!」
源さんが声をあげると、みんなは一斉に空を見上げました。
「綺麗!」「素晴らしい!」「真ん丸だね」「よっ名月!」
みんなそれぞれに歓喜の声を上げています。
そんな名月を眺めながら食べる団子や料理は、格別な美味しさです。
「腕を上げたな…
いや、またうさぎさんの料理か?」
ジョーさんがノラさんの料理を食べています。
「これは全部俺が作ったんだよ
まぁうさぎさんに手伝ってもらったけどな…
今日は見回りしないんだろ?沢山食べとけよ
それとこれは特別だ」
ノラさんは特製弁当をジョーさんに渡した。
「いつも悪いな」
それを少し離れた所で見ていたうさぎさんが首を傾げました。
「なんでノラさんはジョーさんにお弁当をあげるの?」
「ジョーはノラの命の恩人でもあるんだ」
近くにいたゴンさんが言いました。
「俺達がまだ小さかった頃、ノラが川で溺れてな、それをジョーが助けたんだ
まぁジョーも崖から落ちかけたのをノラに助けられてるけどな」
ゴンさんは穏やかな笑顔で話しました。