第5章 雪の花
「おめぇ達、薪になりそうな廃材を集めてこい」
『へいっ!』
ゴンさんの指示でハチさん、ヤスさんが奥へ走って行きました。
「うさぎさんにちょっと聞きたいことがあるんだけど…」
ゴンさんは、なんかモジモジとしながらうさぎさんに言い出しました。
「エミリーには………」
いつも大声のゴンさんがモゴモゴと、耳の良いうさぎさんでも聞こえないくらい小さな声で何かを呟きました。
「はい?エミリーがどうかしたの?」
うさぎさんは聞き返しました。
「あっいゃ…あれだ!
エミリーに…美味かったって言っといてくれ」
「…わかったわ」
うさぎさんは小首を傾げながら返事をしました。
しばらくすると、ハチさんとヤスさんが木材を持って戻ってきました。
『親方、こんなもんで良いっすか』
「おぅご苦労さん
そんじゃ、それをうさぎさんちまで運んできな」
『へいっ!』
「あっ!ちょっと…」
うさぎさんが止める間もなく、ハチさんとヤスさんは、うさぎさんちに向かって走っていきました。
「ゴンさん、何から何までありがとうございます」
うさぎさんはゴンさんにお礼を言いました。
「良いってことよ!
お菓子を持ってきてくれたお礼だ
エミリーに本当に美味しかったって言っといてくれよ」
「エミリーも喜ぶわ
それじゃあまたね」
うさぎさんはゴンさんちを後にしました。