第5章 雪の花
うさぎさんは帰る途中でハチさんとヤスさんに出会いました。
「今日はありがとうございました」
うさぎさんはお礼を言いました。
「薪は入口の横に置いておきました
またお菓子持ってきて下さいね」
「ハッつぁん、また親方に叱られるぞ」
「うふふ、またね」
二人はうさぎさんにお辞儀をして帰っていきました。
「そうだ、エミリーの店に行かなきゃ」
うさぎさんは急いでエミリーさんの店に向かいました。
カラン、カラン。
「いらっしゃ…あっ!
うさぎ!どうだった?
ゴンさん喜んでくれた?」
エミリーさんは、うさぎさんを見るなり駆け寄って来ました。
「すっごく喜んでたよ
本当に美味しいって!」
「良かったぁ♪
ゴンさん、他には何か言ってなかった?」
「ん~…
何か言ってたんだけど、聞き取れなかったのよね
けど、エミリーのお菓子はかなり気に入ってるみたいよ」
「えぇ~お菓子だけぇ…」
エミリーさんはかなりガッカリしました。
「大丈夫よ
あのお菓子はエミリーにしか作れないんだから♪」
「そうね
もっとゴンさんに気に入られるお菓子作らないとね」
うさぎさんに励まされてエミリーさんは元気を取り戻しました。
「それじゃあ、たまね」
うさぎさんはエミリーさんに挨拶をして店を出ました。
外は灰色の雲が空を覆い薄暗くなっていました。
うさぎさんが空を見上げると白い花がフワフワと舞い降りてきました。
「雪?
早く帰って薪をしまいましょ」
野山は、もうすぐ冬支度です。
つづく。