第4章 秋深し…
「うるせぇ
お前に料理の味が分かるのか?
松茸と椎茸を間違える奴が…」
ノラさんは皮肉を言いました。
「てめぇこそ、マタタビでラリってただろっ!」
ジョーさんが言い返しました。
「まぁまぁ、二人とも
昔話はそのくらいにしなさい
うさぎが困ってるわよ」
エミリーさんの一言で二人は黙ってしまいました。
「すまん…
うさぎさん、料理美味かったよ
…さて、俺はそろそろ寝る時間だ」
ジョーさんは立ち上がり帰ろうとしました。
「待てよ、ジョー
これ持っていけ」
ノラさんはお弁当を取り分けてジョーさんに渡しました。
「どうせろくな食事してないんだろ?」
「忙しいんでな…
ありがとよ、邪魔したな」
ジョーさんはお弁当を受け取ると茂みに消えていきました。
「ね、何だかんだ言っても仲良いのよ」
エミリーさんがうさぎさんに耳打ちしました。
「ノラさんとジョーさんは仲良いんですね」
うさぎさんがノラさんに言いました。
「あっ…えっと…ジョーとは、あれだから…」
ノラさんはまたしどろもどろに戻りました。
見兼ねたエミリーさんが言いました。
「ねぇ、お弁当食べたら果実採りに行きましょ
スイーツの材料になるから…」
「それ良いわね
ここならフルーツだけじゃなくてキノコも採れそうだし…」
うさぎさんは目をキラキラと輝かせました。