第4章 秋深し…
「やっぱりノラさんの料理は美味しいわ」
うさぎさんがノラさんのお弁当を食べました。
「いや…あの…ぅ、うさぎさんの…」
「うさぎの料理も凄く美味しいわよ
ね、ノラさん」
エミリーさんがノラさんの代わりに感想を言いました。
ノラさんは、うんうんと頷いています。
三人は楽しくお弁当を食べていました。
その時、茂みから狼のジョーさんが現れました。
「ん?なんだお前達か」
「ジョー、どうかしたのか?
こんな昼間から…」
ノラさんが不思議そうに声をかけました。
「ふっ、たまにここから野原を眺めるのさ」
ジョーさんは野原を見下ろしました。
「ジョーさんも一緒に食べませんか?」
うさぎさんがジョーさんを誘いました。
「…そうだな
寝る前にノラの飯でも食べてやるか」
「無理に食べなくてもいいぞ」
ノラさんは素っ気なく答えました。
「ねぇ、ノラさんとジョーさんって仲悪いの?」
うさぎさんはエミリーさんにコソッと聞きました。
「ノラさんとジョーさんは同級生で悪友よ」
エミリーさんはウィンクしながら答えました。
ジョーさんも加わってお弁当を食べはじめました。
「おっ、これは美味い…
ノラ、いつの間に腕上げたんだ?」
ジョーさんは一口食べて驚きました。
「それはうさぎが作ったのよ」
エミリーさんが言いました。
「えっ?なんだ!?
ノラのより美味いじゃないか!」
ジョーさんはうさぎさんが作ったお弁当を気に入ったようです。