第4章 秋深し…
エミリーさんは小声でノラさんに言いました。
「ノラさん、チャンスよ
いっぱい採って良いところ見せなきゃ」
「…頑張る」
ノラさんもその気になったようです。
お弁当を食べ終えて片付けると三人は山を下りはじめました。
途中で山の幸を見つけました。
「あそこにキノコがあるわ」
立派な松茸や沢山のシメジに舞茸も生えています。
「あっ!それはダメっ!
毒キノコだよ」
うさぎさんが採ろうした時、ノラさんが止めました。
「こんなに綺麗な色してるのに?」
うさぎさんは首を傾げました。
「えっと…キノコは…地味なほうが…あ、安全なんです」
ノラさんが教えてくれました。
「そうなんだ
ノラさん、ありがとう」
うさぎさんの言葉にノラさんは尻尾をピンと伸ばしています。
それを見ていたエミリーさんは、やれやれと首を振っていました。
「私は木の実採ってくるわ」
エミリーさんは木を駆け上がりました。
「エミリー、気をつけてね
私はもう少しキノコを採ってるわ」
「ぼ、僕は…フ、フルーツを…採ってきます」
ノラさんも木を駆け上がりました。
「ノラさんも気をつけてね」
うさぎさんの言葉にノラさんは足が空回りして落ちそうになりました。
「ノラさん、ちゃんとしなさい
山猫なんだから!」
上の方からエミリーさんが注意しました。