第2章 冷たい雨
2人が起きる前に朝食が出来た。
焦げてしまった所もあるけれど、自分の中では結構な自信作。
──お兄ちゃんに美味しいって言ってもらいたいな
褒めて貰いたくて、敦に怒っている事なんか忘れては上機嫌で起こしに行った。
敦の身体を揺らして起こす。
『お兄ちゃん起きて、朝だよ!』
敦は目をこすりながら身体を起こした。
「…ぁあ、起きるの早いね」
欠伸をして敦は立ち上がる。
も立ち上がり、敦の手を引っ張る。
『ご飯作ったの、結構自信作』
それを聞いた敦は驚いた。
「僕が寝てる間にするなんて危ないよ。指切らなかった?火傷しなかった?」
そう聞いてくる敦には『いいから早く食べて!』と早く朝食を食べて欲しくて急かす。