第1章 いつも
買い出しにしては遅い。
一緒に行きたかったな....
そう思いながら待っていると
『あっ』
お兄ちゃんたちが帰ってきた。
与謝野さんは何か、多分女の子を抱えてる。
お兄ちゃんの方をみると、なんだか元気がなさそう。
本当は、「寂しかった」とか「心配だった」とか言いたかったけど、なんだか言えそうな雰囲気じゃなかった。
それからお兄ちゃんは、医務室の前で座り込んでいる。
『........』
ずっと座り込んでいるお兄ちゃんに国木田さんがお兄ちゃんの目の間に立った。
「また面倒を持ち帰ったな」
「蓄電池(バッテリー)は抜いてある」
そう国木田さんはうさぎのキーホルダーが付いている携帯電話をお兄ちゃんに渡した。
「僕がもっと早く気づいていれば」
さっきの女の子と何か関係あるのかな。
気になったけど、今は仕事に集中しないと。
そう思いながら私は書類にペンを走らせる。