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喧嘩最強女子は生徒会長【歌い手】

第8章 四章


⚠流血表現あり



凪「…続き話していい?」
4人「「「「ア、ハイ」」」」

凪「めいちゃんか彼方のどっちかと結婚とか言われても、5歳では判断しかねるし、彼方は7歳だったけど、めいに関しては4歳だったわけだから尚更わかんない。とにかく何も知らない子供同士だったから、取り敢えず交流の意味も含めて武道を習い始めたんだ。空手に柔道に合気道に色々と。

彼方は私たちと出会う前から始めてたから、彼方が大体のことは教えてくれた。
習い始めて2年が過ぎて私が7歳の時に妹が生まれた。その頃にはもう彼方よりも私の方が強かったな。父さんの血を引き継いで、道場の誰よりも強くなってた。父さんも母さんも凄く喜んでくれた。
「すごいね」「流石父さんの子だ」「自慢の娘だ」って。ただ褒めるだけじゃなくて同時に「力を正しく使う事」という約束もした。それは私情で力を使わないとか、道徳的な部分はもちろんあったけど、一ノ瀬家に居続けるかどうかの自己判断も含まれてた。
その時はいまいち理解できなかったけど、それから更に2年が過ぎたある日、例の事故が起きて理解した。
交通事故とかそんなんじゃない。指導中の事故だった。

父さんが木刀で剣術の指導をしている時、相手の振った木刀が父さんの首を掠めたんだ。
普通なら木刀だからその程度の事で死んだりはしないけど、その時相手が持っていた木刀が、手入れされていないささくれ立った木刀だったのが原因だった。
別の道場で柔道の練習をしてた時に、誰かが慌てて父さんが大怪我を負った事を知らせに来た。
急いで父さんの所へ駆け付けたけど、その時にはもう床は血まみれで父さんはピクリとも動かないし、母さんは放心状態。もちろん道場だけじゃなくて家全体が大騒ぎの阿鼻叫喚。

程なくして専属の医者が来たけど手遅れ。手の施しようがなかった。
それまで近付かないようにと彼方とめいに掴まれていた手を振りほどいて、固まりかけの血溜まりの中、足や道着が汚れるのも転んだ痛みも気にせず、父さんの傍に駆け寄った。
今でも鮮明に思い出せるあの赤色。冷たい温度。苦しんだ顔。

そこからはもう覚えてない。あまりにショックが大きすぎて倒れたんだと思う。
気が付いたら真っ白な病院の天井が見えたし、向かいのベッドには母さんが眠ってた」
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