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喧嘩最強女子は生徒会長【歌い手】

第8章 四章


千「実の兄弟…なんですよね?」
凪「そうだよ。でも実際の一之瀬家なんてこんなもん。力が全て。力の無いものは存在する意味が無い。だから母さんや私達みたいに蔑まれる人間が生まれる。嫌な世界だと思うよ」

呆れて思わずため息が出る。力が全てだなんてくだらない。

成「家を出るって言っても本家に留まったんだ。許可が出たの?」
凪「うん。本家としては力の強い者が次代家長になって欲しかったから、有力候補の父さんが抜けるのはどうしても止めないといけなかった。
母さんと結婚を認めて本家の人間として迎え入れたんだけど、だからって母さんに対する扱いが変わるわけがなかった。
迎え入れたとて才が無いのには変わりないし、本家や他の家の人間だけじゃなくて従者にも舐められた。
妊娠してからは父さんが身の回りの事を出来るだけお世話してくれたから、私や妹は安全に産まれて来れた。
ただ妹は、生まれつき病弱だったことが本家の人間の耳に入って「力が無いだけでなく弱い人間を産み出すとは」なんて言い出した時は、流石の母さんも怒ってた。父さんもその悪口を言った人達を許さなかった。何をしたかは知らないけど。

彼方と出会ったのは少し遡って、私が5歳の誕生日を迎えた日、初めて当時の家長が私を部屋に呼んだ。
父さんは事前に呼ばれる事を知ってたみたいで、怖がってた私を安心させてくれた。
部屋に入ると怖い顔のお爺さんが部屋の奥にドンと座ってた。幼いながらにも、その人が放つ圧倒的貫禄で家長だってわかるのに時間はかからなかった。
そして、その左側には父さんと少し似てる男の人が2人と、当時の私と同い年ぐらいの男の子が2人。
父さんの兄弟と、彼方ともう1人の従兄弟。名前はめい」
4人「「「「めい…?」」」」

4人の声が綺麗にハモる。

凪「あれ、4人とも聞き覚えがある感じ?」
蓮「めいってあのめいちゃん…?」
輝「苗字、一之瀬だったっけ…?」
成「あのサイコパスが…?」
千「あのおバカが…?」
凪「最後2人はただの悪口じゃん」
彼「聞き覚えがあるも何も、あいつも第三に通ってんじゃん。忘れたの?」
凪「忘れた」
千「クソめいざまぁ」
凪「あれ、折原君は何で?」
千「1回喧嘩吹っかけられたんで」
3人「「「あのバカがすみませんでした」」」
千「それより、クソめいのせいで薄れましたけど、そらるさんと凪緒さんって従兄弟だったんですね」
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