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喧嘩最強女子は生徒会長【歌い手】

第7章 三章(あらき視点)


遅れて屋上に着くと、屋上は既に撤退ムードだった。

成「遅かったねあらき」
蓮「ん、ちょっと。さっきの部屋に戻る感じ?」
成「そう。何があったかは見ての通り」
蓮「大体は察した。アイツを連れて来なくて正解だったな」
成「まじそれな」

そらるさんが凪緒の腕を引いて連れて行くのを横目に、今後の事を色々と考える。

来る道中、luzに担がれてすれ違った女子生徒が被害者であり件の真犯人である事は間違いない。
凪緒が犯人じゃないと思ってるのは俺達(第三)とそらるさんだけ。
天宮君と黒木さんは、被害者との関係によってはこっち側じゃなくなる可能性が濃厚。
完グレは第二の4人と相川君、といったところか。

成「どうする?多分、今日の事はここの全校生徒が知ることになると思うけど」
蓮「だろうなぁ。天宮君と黒木さん次第では、明日から凪緒の居場所が無くなりますし」
成「別にいんじゃない?もしそうなったら第三に凪緒が来るようにしたらいいじゃん。幼馴染なんてそんなもんだったんだってなればいいし、居場所なんて俺らのとこにあるんだし」
蓮「…nqrseはそういうやつだったな」
成「?」

意味がわからんと言いたげな顔を向ける成瀬と共に、みんなの後ろを歩いてさっきの部屋に戻って来た。

凪緒は黒木さんによって着替えを済まされた後でも、表情は一切変わらなかった。唖然とした顔のまま、どこかを見つめている。

志「凪緒ちゃんは犯人ちゃうんやろ?ならせめて犯人じゃないって一言でいいから言って欲しい」
凪「...」

どれだけ優しい言葉を掛けられても何の反応も返ってこない。今の凪緒には、どんな反応をしても自分が責められる未来しか見えていないのだろう。
だからこそ「自分はもちろん何もやっていない」と言葉にすることが出来ないでいる。
こんな状態が続いて30分を過ぎようとした時だ。

彼「...みんな少し休もう。凪緒、俺たちは別室にいるから、落ち着いたら電話して」

凪緒の右隣に座る彼の提案により、凪緒以外の全員が席から立つ。

蓮(凪緒はネガティブだから、時間を置けば置くほど何も答えなくなるだろうけどな)

分かってて何も言わない俺も、さっきのnqrseと同じだなぁと呆れる。


廊下に出てすぐ、凪緒の泣く声が微かに聞こえた。
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