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喧嘩最強女子は生徒会長【歌い手】

第6章 三章


⚠流血表現あり



大きく振りかぶられた拳。ガラ空きの脇腹。
呼吸をするように脇腹へと放たれた回し蹴りが決まる。
地面に伏した部長は、気絶したのかピクリともしなくなり、風によって髪が靡くばかりだった。
ブレザーの内ポケットからある紙が入った封筒を取り出し、元部長になった人の手に握らせる。

凪「じゃあな、花山"先輩"」

そう言い捨て屋上を後にしようとした時、「ゆる...さない...」とか細く消えそうな声が聞こえる。

凪「なんだ、まだ意識あった......!」

凪緒は花山を見て目を見開いた。フラフラと立ち上がったの手には、鋭く光るハサミが握られている。

花「ゆるさない...この私を...」
凪「それで何するつもり?カッターキャーならぬハサミキャーでもして俺を貶める気?」
花「そうよ...!アンタは何も考えずに闘ってたんでしょうけど、私が倒れてるこの場所は例のお客様の観覧部屋の真上...私が倒れた時の音が下にも聞こえてるでしょうね」

そこで自分が屋上に来た時点で嵌められていたことに気付く。ハサミを奪おうにも、出入り口付近にいるせいで奪うことも出来ない。それどころか、奪おうと動いた時点でハサミキャーが出来てしまう程離れている。

花「そして...それを聞き付けた誰かがそろそろこっちに来る頃じゃない?」

出入り口付近にいるからわかる、カンカンと階段を駆け上がってくる音。
もう、凪緒に勝ち目はない。
そう覚った瞬間__

花「ッ...キャーー!!!」
凪「っ!」

自身の二の腕にハサミを突き立てると同時に、凪緒へ向かって走ってくる。
ハサミを刺したことによる返り血を付けるためだ。
しかし、今の凪緒は平常心がなくそこまで頭が回っていないため、立ち尽くしたまま動けない。

花山が凪緒の目の前でハサミを抜く。同時にかなりの量の血飛沫が2人に飛び散る。
血塗れになったハサミは凪緒の手に握らされ、花山はそのままへたり込む。
誰が見ても凪緒が犯人だとわかる事件現場の出来上がりだ。

天「何事で...す...か...?」
凪「...」

バンッと勢いよく駆け込んできたのは翔太。その後ろからも足音は続く。
どうすることも出来ない凪緒は、ただ虚空を見つめ立ち尽くすしか出来なかった。
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