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喧嘩最強女子は生徒会長【歌い手】

第6章 三章


払っては掴まれ、払っては掴まれ...
何度それを繰り返しただろう。動きには慣れてきたが、別の攻撃も織り交ぜられて中々思うように反撃ができない。

花「ほらほらっ!そんなんじゃいつまでもお客さん待たせるだけよっ!!」
凪「チッ...」

普通なら、こんな戦いには興味が無い。負けてもいいとは思っている。
この数ヶ月で部長は本当に強くなった。俺の動きが鈍っていることを差し引いても、かなり強くなった。相当練習したんだろうな。俺じゃ想像出来ないぐらいたくさん...俺に勝つために、ただそれだけのために...

でも、それがどうした。俺に勝ちたいなら勝てるように強くなろうとするのは全く構わない。そういう生徒が少なからず居ることぐらい知っている。
が、俺の周りの人間を巻き込むなら負けてやるわけにはいかない。翔太や棗に留まらず、雪華に手を出すってなら尚のことだ。
あの子は本当に何も関係ない。学校での揉め事に引き出してくるのは卑怯というものだ。翔太や棗は自衛するだけの実力がある。
だからと言って巻き込んでも構わないという訳では無いが、その2人だけならこんなに必死になって犯人探しして戦いを受けたりしない。2人を信頼しているが故だ。
その2人は今校内で選定会の警備をしているか、お客様の所で接待してるか、もしくは俺を探してるか...
誰よりも大好きな2人を裏切る訳にはいかない。

凪「...ふぅ、さっさと終わらせねぇと、お客にもアイツらにも示しがつかねぇな」
花「ようやく貴女の番?反撃が無いから虐めてるみたいで嫌だったのよね。やる気出してくれて嬉しいわ」
凪「部長のそういう傲慢で驕り気のある所、直した方がいいんじゃないですか?確かに強くはなってますけど...油断は禁物ですよ?」
花「っ!」

大きく一歩踏み出して、油断して防御がガラ空きだった部長の鳩尾に一発、ストレートをぶち込んだ。
女性相手に腹狙うのはどうかと思われるだろう。だが大丈夫。ここは喧嘩が頻発している学校だ。鳩尾ストレートの一発や二発受けたぐらいで、部長程の実力者は気絶したりしない。

花「チッ...!隠してたのね」
凪「相手を知る為に様子見してただけだ。まぁ、何回かはヤバかったけど」
花「ホント...ムカつく...!!」

勢い良く殴りかかってくるが、冷静さがなくなり動きが単調になっている。あーあ。

勝っちゃった。
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