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喧嘩最強女子は生徒会長【歌い手】

第6章 三章


凪「一条戻りました」

生徒会室へ戻ると、そこには暗い顔をした翔太がいた。

天「凪緒!」
凪「何があった」
天「ちょっとこれ見て」

そう言われ渡されたのは、差出人不明の凪緒宛の手紙。既視感を憶えた凪緒はすぐさま中身に目を通す。
中身は写真が1枚と、書き殴ったような荒々しい脅迫文。

「全てお前のせいだ。お前が居なければ私はそこに居たのに。天宮君達だって私のものだったのに。お前ばかりちやほやされて、敬われて...!私の高校生活はお前のせいで台無しだ。目に見えて周りとの関わりを絶たないのであれば、お前の妹がどうなるかわからないぞ」

ざっくりまとめてこんな感じの事が書かれていた。以前の手紙と字体が似ていることから、おそらく同一人物だろう。
全て読み終えた凪緒は大きく溜息をこぼす。

天「嫌な予感がして凪緒の承諾無しに開けちゃった。ごめん」
凪「気にしなくていい。寧ろよく知らせてくれた。ありがとう」
天「...ねぇ、俺に出来ること無い?凪緒と雪華ちゃんのことを守りたいんだ」

写真に映っていたのは、病室で気持ち良さそうに眠っている雪華。
翔太にとって、雪華は妹のような存在でもあるのだ。助けたい気持ちは凪緒に勝るとも劣らないだろう。

凪「...なら、暫く俺に近付かないでくれるか?」
天「何で?俺じゃ頼りないの?それなら96ちゃんにも話して2人で凪緒達を守るから!」
凪「差出人が誰かも分からないのにか?」

そう言われて翔太は口を噤む。

凪「翔太の気持ちは嬉しい。でも、今のままだと俺だけじゃなく雪華にまで危害が及ぶ。それだけはどうしても避けないといけない」
天「でも、手紙の内容からして、凪緒が俺や他校の浦田さん達と仲良しなのが妬ましいって感じだったじゃん。凪緒だけの問題じゃない。俺達の問題だよ」
凪「俺がお前達と関わらないようにしたらいいだけの話だろ。それで解決するなら、俺は誰からも距離を置く。棗からも」

強い意志を宿した凪緒の言葉に、翔太は何も言えなくなり俯き悔しがる。
気付けば力いっぱい握りしめていた拳が、そっと柔らかいもので包まれる。

凪「その代わり」
天「凪緒...?」
凪「学校が終わったら、雪華の所に行ってほしい。あの子を危険な事に巻き込まないように。これじゃ不満か?」
天「そんなわけない!雪華ちゃんのことは任せて!」
凪「頼んだよ、翔太」
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