第5章 二章(歌い手視点)
まふまふ視点
そらるさんが紹介してくれた人は、みんなすごく優しい人だった。
人見知りな僕相手にペースを合わせてくれる。本当にいい人達ばかりだ。
特に凪緒さんは優しくて綺麗な人。見た目もそうだけど、何より纏ってる雰囲気が他の誰とも違った。洗練された清らかな雰囲気を感じた。一緒にいて1番落ち着く人。
だから、思い切って話しかけたはいいものの...
彼「はいそこまでー。これ以上は内緒だよ」
真「そ、そらるさん...」
そらるさんに遮られてしまった。
凪緒さんと他の人の関係を少し知りたかっただけなのに、何か知られたくない事でもあったのかな?
凪「別に隠すような関係でもないでしょ」
彼「俺が隠しときたいの。それに、その方が面白いでしょ?」
何が面白いのか僕も凪緒さんも分かって無いけど、他校の人達はわかってるみたいで凄い視線を感じる。
凪「なんで睨まれてんの」
彼「俺と凪緒の関係が知りたいんだろうね〜。教えてあげないけど」
そう言いながら、そらるさんは凪緒さんの頭上に顎を置き、覆い被さるようにして凪緒さんを腕に収めた。
あ、もしかしてそういう関係...?
凪「ちょっ、この体勢で寝なるな」
彼「丁度いい高さなんだよ。黙って枕になって」
凪「俺は抱き枕じゃ無いって言ってんじゃん。記憶力おじいちゃんか」
彼「そうそう、俺はおじいちゃんだから労わってね」
話を聞いている感じでは、こういったことはよくあるらしい。
真(やっぱり2人はそういう関係...?)
そこでふと先程の自分の行動を思い返す。
凪緒さんの雰囲気が心地よかった→もう少し一緒にいたくて話しかけた→そらるさんが出てきた
真(...もしかして2人の関係を邪魔したように見えた...?そらるさんに嫌われた...?え、どうしよ。無理。そらるさんに嫌われるとか耐えられない)
どうしようとオロオロしていると、さかたんが話しかけてくれた。
優「まふ?どうしたん?」
真「え、あ...そらるさんに嫌われたかなって...不安になって...」
優「あー...察したわ。そんなことないと思うけどなぁ」
真「何で?あの2人付き合ってるんでしょ?」
優「付き合ってへんよ。凪緒さん、今は彼氏いないって言ってたもん」
そうだったんだ。
さかたんの一言でかなり気持ちが楽になった。
でも、じゃあなんでそらるさんは関係を隠すんだろう?