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喧嘩最強女子は生徒会長【歌い手】

第4章 二章


彼方達を競技場が一望できる特別室へと案内し、翔太は持ち場へ戻って行った。
凪緒はと言うと、決勝戦までは仕事が無いため特別室で待機だ。

真「あ、あの、一条...さん?」
凪「凪緒でいい。苗字じゃ長いし」
真「あ、じゃあ、凪緒さん...」
凪「どうした?」

人見知りながらも頑張って話そうとする健気な姿に、凪緒は弟を見るような気分になる。

真「凪緒さんは、ここにいるみなさんと、お知り合い、なんですか...?」
凪「そう、だね。浦田さんは前年度のトップ会議の時から知ってたし、他3人は最近知り合った。第三高の3人は中学が一緒だったし、彼方さんは...」
彼「はいそこまでー。これ以上は内緒だよ」
真「そ、そらるさん...」

急に割り込んできたと思えば関係を隠したがる彼方。
そう言いながら、立ったままの凪緒の頭上に顎を置き、覆い被さるようにして凪緒を腕に収める。
凪緒はいつもの事なので、特に抵抗することも無く直立を保つ。

凪「わざわざ隠すような関係でも無いでしょ」
彼「俺が隠しときたいの。それに、その方が面白いでしょ?」

チラッと他校組の方へと視線を投げる。それに釣られて凪緒もそちらへ視線を移すと、数人の鋭い視線が刺さった。

凪「なんで睨まれてんの」
彼「俺と凪緒の関係が知りたいんだろうね〜。教えてあげないけど」

すると急に肩への重みが増す。

凪「ちょ、この体勢で寝なるな」
彼「いいじゃん。黙って枕になってよ」
凪「前も言ったけど俺は抱き枕じゃ無いってば。記憶力おじいちゃんか」
彼「そうそう、俺はおじいちゃんだから労わってね」

あー言えばこー言う、埒が明かない。
深く溜息を吐いて、どうしようかと考える。この場合の「どうしようか」とは、起きた後の彼方の制裁をどうしてやろうかという話だ。

凪「成瀬」
成「何々〜?凪緒から俺を呼ぶなんて珍しいじゃん」
凪「...いつも輝を起こす時ってどうやってる?」
成「起こす時?んーっと、取り敢えず揺さぶって声かける。それでも起きなかったら、輝に乗っかってジャンプする。今日もして来たよ」
輝「あ、だから今日俺の背中痛いんだ〜」
蓮「いや、気付いて無かったのかよ」

想像しただけで痛そうだ。
(痛そうで済むのはコイツらだから。良い子は真似しちゃいけません)

凪「...ありがと成瀬。参考にはならなかったけど」
成「なんで!?」
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