第4章 二章
凪「いい加減離れろって!成瀬!暑苦しい!」
成「嫌だね。新学期になってから一度も会ってないじゃん!連絡だって、必要最低限の事務的な事しかしてくれないし!俺の事嫌いになったの!?」
凪「嫌われたくなかったら離れて」
成「...ずるくね?」サッ
凪「ずるくない...ったく、最初から素直に離れてれば言わずに済んだのに」
凪緒は乱れた髪や制服を直して成瀬に向き直る。そして成瀬の頭をわしゃわしゃと、勢いよく撫で回し始める。
成「ちょっ!何すんの!」
凪「抱き着いてきた仕返しだよバーカ。このパーマだと、絡まったら解けにくそうだなw」
成「凪緒の鬼!折角可愛く出来たのに!」
凪「はいはい」
パッと手を離した凪緒はその手で成瀬の髪を直す。成瀬は満更でもない様子だ。
志「...」
渉(うわぁ...めっちゃ不機嫌じゃん...)
千(喧嘩ふっかけそうな気ぃしてきた...)
96(奇遇やな。ワシもや)
天「ねぇねぇ、取り敢えず3人共こっちの3人に自己紹介してあげてよ。初対面でしょ?」
空気を読まない翔太が突然言い出す。そして、これまた空気を読まない輝が「確かに」と乗っかる。
第三高の3人が自己紹介をしたあと、第二高の3人も自己紹介をする。1人だけめちゃくちゃ不機嫌で素っ気ないやつがいたのは言うまでもない。
輝「何でそんなに怒ってるん?」
志「別に、怒ってねぇし。お前には関係ないだろ」
成「何で不機嫌なのか気になるじゃんねぇ?俺らが原因だってのは分ってるんだけどさ」
輝「え、成瀬わかってんの?凄いなぁ」
志「わかってんならわざわざ聞くなや!ってか、お前に関しては確信犯やろ!」
成「バレちゃった☆」
志「いっぺん殴る」
志麻と成瀬の追いかけっこが始まる。ガキかと思う反面、2人が楽しそうなら良いかと思ってしまう自分がいる事に内心驚く凪緒。
輝「凪緒?どうかしたん?」
凪「...いや、何でもない。それより、そろそろ帰っていい?」
輝「あ、うん。皆には俺から言っとく」
凪「ありがと。んじゃ、またな輝」
輝「うん。またね」
さっさと賑やかな輪を抜け、用事の場所へ行く。今日はバイトが入っていたのに、思わぬ足止めを喰らったため急がないと間に合わない。
凪(クソ...間に合わなかったらどうしてくれるかな。バカ成瀬とホクロ野郎)