第3章 一章(浦島坂田船視点)
浦田視点
天宮と黒木に腕を解放されてから、まーしぃの様子がおかしい。ずっと不敵な笑みを浮かべている。
渉「まーしぃ、そろそろその顔どうにかしてくんない?キモイ」
志「どうにか出来たらええねんけどな。楽し過ぎてどうにも出来へんのよ」
千「楽し過ぎるってどういう事です?」
優「自分より強い相手見つけて興奮してんねやろ」
志「坂田の癖に正解」
優「癖には余計や!」
なるほどねぇ。
確かにまーしぃは自分より強い相手と戦いたいって気持ちが強い。だけど、理由は多分それだけじゃない。
ただ、これは本人が自覚しているみたいだし、わざわざ言う必要は無さそうだ。
志「は〜...取り敢えず、俺は意地でも凪緒ちゃんを俺のもんにする。そういう訳やから、あんま余裕こいてると痛い目見るで?天宮クン」
天「...」
両者の間で火花が散る。なるほど、恋敵か。
恋敵と書いてライバルと読む的なアレだな。
でもな、お前ら2人だけが恋敵だと思い込むのは視野が狭過ぎってやつだぜ?
千「なんや面白そうですねぇ。俺も交ぜてくださいよ」
ほらみろ、言わんこっちゃない。
千理は興味の無いやつの名前は一切覚えない。だから、放課後の会話で一条の名前を発した時点で察する事は出来ただろうに。
「恋は盲目」とはこういう事なんだろう。
志「千理...」
天「君まで」
まーしぃと天宮から鋭い視線を受ける千理は、いつもと変わらず飄々とした態度を崩さない。まるで「お前らなんて敵じゃ無い」とでも言いたげな、そんな雰囲気を纏っている。
千「うらたんはどうするん?凪緒さんのこと興味あるんでしょ?」
渉「興味があるってだけだ。それ以上の感情はねぇし、やるならお前らだけでやってろよ。...尤も、これは「今」に限っての話だがな」
ここに来る道中にお前らが指摘した通り、俺も一条のことは気になってる。それがどういう意味でなのかはまだ分かんねぇけど、恋愛感情だった場合には俺は手加減しねぇ。
棗「さかたんは?凪緒の事気にならんの?」
優「俺?うーん...綺麗やしカッコイイとは思うけど、俺の好みっちゃうしなぁ」
志「坂田は棗ちゃんみたいな元気な子がタイプやもんな」
優「せやねぇ...て何言うとんのまーしぃ!」
棗「お?さかたんはワシが好みなんか?ワシ、モテ期到来?照れるーww」
照れてないだろというツッコミはしないでおいた。
