第3章 一章(浦島坂田船視点)
志麻視点
時刻は午後5時過ぎ。
凪緒ちゃん達とお茶してから数日が過ぎた。あの日、連絡先を聞き忘れるという失態を犯したせいで、あれ以来1度も会えていない。
志「ハァ・・・」
渉「...志麻君さぁ、朝から何回?」
本日何度目かの溜息。正直何回やったかなんて覚えてへん。
志「...20回目ぐらい?」
千「かなり重症やねぇ」
優「そんなに凪緒さんのこと気に入ったん?まーしぃにしては珍しいなぁ」
志「めっちゃ俺のタイプやねんもん〜。見た目もやけど、あの強気な感じめっちゃ好き。嫌がられたらもっと虐めたくなる」
渉「うわぁ...」
うわぁって何やねん。うらさんの方が好きな子虐めてるやん。
千「まぁ、まーしぃ好みの見た目やったけど、僕ならあんだけ嫌われとったら諦めるわぁ」
優「俺も〜。嫌われとんのわかってんのに仲良ぉ出来へんもん」
そういうもんかねぇ、と零し、ふと思う。
今から第一高行けば、ワンチャン会えるんじゃね?と。
俺天才か?
志「なぁ!」
渉「うぉっ!急に何だよ。驚かせんな」
志「すまんすまん。それよりな、今から第一高行かへん?」
優「行きたい!久しぶりに96ちゃんとお喋りしたい!」
渉「でも行ったとしても、会えるかわかんねぇぞ?」
千「いや、今から行けば下校には間に合うんちゃいます?第一高は第二高よりしゃんとしてはるから、今頃生徒会のお仕事してはると思う」
千理がそう言うと、うらさんがうーんと悩み始める。
ナイスや千理!もうちょい押せばうらさんも納得してくれるはず!
千「それに、何やかんや言いながらうらたんも凪緒さんの事気に入っとるんやろ?」
渉「...はぁ!?」
志「そうやったんか!それならそうと、はよ言ってくれれば良かったんに」
渉「べ、別にそんなんじゃねぇし!!」
優「ほなうらさん抜きで俺らで行こーや。うらさんは凪緒さんに会いたないみたいやし〜」
千「せやな〜。俺らだけで行こか〜」
見え見えの煽りで、うらさんを置いていこうと提案する年下組。末恐ろしい!w
3人で第一高までの道を歩き始めると、すぐに「待って!」と声がする。
渉「...も...く」
千「うらたん?大きい声で言わな聞こえへんで?」
渉「お、俺も行くっつってんだよ!馬鹿!」
顔を真っ赤に染めて叫ぶうらさん。
最初から素直になればええのになw
