• テキストサイズ

喧嘩最強女子は生徒会長【歌い手】

第2章 一章


病院の面会時間が終わり、雪華にバイバイと手を振って病院から出る。「あの調子ならもう少しで退院出来そうだな」と予想を立てながら病院の敷地を出た時、数名の気配を感じる。

凪「...怒らないから出てきなよ」

気配のした方へ声を掛けると、小さな影が勢いよく飛び出して突進してくる。

96「凪緒ー!!」
凪「...」ガシッ
96「ヘブッ」

1番に出てきたのは棗。抱き着かれるのはごめんだと思い、ちょうど手が顔の位置になるように伸ばすと、案の定捕まってくれた。

天「ちょっと96ちゃん、暗いんだから急に走っちゃ危ないよ」
96「モゴモゴ!!モゴッ!!」
凪「あ、わり」

開放された棗がギャーギャーと騒ぐ。もう時間も時間のため、近所迷惑になりかねない。しかしそこは翔太が「そんな事よりさ〜」と空気を読まない発言で制した。

天「雪華ちゃん元気にしてた?」
凪「うん。もう少し元気になったら退院出来ると思う」
96「ホンマか!良かったな!せっちゃんが退院したらいっぱい遊んであげんとな!」
凪「うん。そのつもりだよ」
天96(お姉ちゃんモードや...)
凪「?どうした?」
天96「何でもない」

凪緒ただ一言「そう」と、特に気にも留めずに帰り道を歩き出す。

日がすっかり沈んでしまった。その一本道を3人で肩を並べて帰る。こんな何気ない幸せな時間を、雪華にも...と願うのは姉心からなのか、それとも同情からなのか。



翌日
昨日と同じく生徒会の仕事を片付けていた。そこまでは良いとしよう。

凪「何で今日もいんのアンタら。何なの?暇なの?第二高は暇でいらっしゃる?」
渉「めっちゃ言うじゃん...」
志「暇っちゃ暇やけどな」
千「お仕事は全部終わらせて来たんで暇なんですよ」

まさかの全部終わらせた。よくやったなと感心してしまう凪緒。

凪「暇ならそこら辺の女と遊んで来たらどうです?俺達は暇じゃないんだって」
志「またどっか用事?昨日もあんま喋れんかったのに」
渉「いや、十分喋ってただろ」
96「そういえば、今日はさかたんはおらんのやね」

棗に言われて、そう言えばと気付く凪緒と翔太。

千「あぁ、さかたんは私用で今日は来ませんよ」
96「そうなんか。残念やな」

目に見えて落ち込む棗を見て「凪緒ちゃんも俺に会えんかったら寂しい?」と凪緒に問う志麻は当然無視された。
/ 51ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp