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喧嘩最強女子は生徒会長【歌い手】

第2章 一章


2人に月崎さんの事を任せ、目的地まで急ぐ。
今日はあの子との約束の日だと言うのに、何で面倒事に巻き込まれなきゃいけないのか。

凪「はぁ...やっと着いた...」

暫く走って着いた場所は、大きな市民病院の小児科の個室だ。3回軽くノックをし、返事が返ってきたのを確認して入る。

凪「雪華、来たよ」

ガラッとドアを開けると、小柄な少女が元気良く迎えてくれる。

雪「お姉ちゃん!」
凪「久しぶり、雪華。いい子にしてた?」
雪「うん!おくすりもちゃんと飲んでるんだよ!えらいでしょ!」
凪「うん、凄いよ。ちゃんとお薬飲めて、雪華はえらいね」
雪「えへへ♪」

俺の姿を見るなり抱きついてくる少女は、年の離れた妹。名前は一条雪華。生まれつき体が弱く、入退院を繰り返している。

凪「頑張ってる雪華に、お姉ちゃんからご褒美だよ。どうぞ」
雪「わぁ〜なんだろ!あけても良い?」
凪「もちろん」

雪華は目を輝かせて、少し大き目の箱をそっと開ける。中身はピンクや黄色の綺麗な花で埋め尽くされた、所謂フラワーボックスだ。
可愛らしい色でいっぱいの箱から目が離せない様子の雪華は、頬を紅潮させて幸せオーラで溢れている。

凪「気に入ってくれた?」
雪「うん!ありがとうお姉ちゃん!」
凪「そんなに喜んでもらえると、お姉ちゃんも嬉しい。ありがとね」
雪「でも、このお花すぐに枯れちゃったりしない?」
凪「大丈夫だよ。このお花は特別なお花だから、普通のお花よりも長持ちするんだよ。だから、ずっと綺麗なまま」

わかりやすく暗い顔になってしまった雪華にそう伝えると、雪華は更に目を輝かせて「このお花箱ずっと大事にする!」と満面の笑みを浮かべる。

それから暫く、病院で仲良くなった友達の話や俺の学校であったことなど、他愛もない話をして過ごした。
特に最近できたという友達とは年が同じ女の子のようで、何時でもどんな時でも元気いっぱいなのだとか。

凪「良い友達ができたね」
雪「うん!それにその子ね、絶対にだれとでも仲良くなれるんだよ!私は同い年くらいの子ならお話できるけど、年上の人は少しこわくなっちゃうからすごくうらやましい!」

いいなぁと呟く雪華だが、等の本人も年上との交流はそれなりに出来る方だと思う。
棗や翔太とだって、会って2日目には普通に話せるようになったのだから。

凪「雪華もなれるよ。私が保証する」
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