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【キングダム】創作小説《R18/BLあり》

第1章  【R18】仮初め《昌平君×李牧》


昌平君は、李牧の射抜くような視線を感じ、この男が咥えたそれを離す意思がないことを感じとる。




「…くそっ…!!……出る…っ!!」

思い通りにならない李牧の行動に苛立ちながら、昌平君は咥えられたまま射精した。




目的を達成し、李牧の舌は、ようやく昌平君の下半身を開放する。

腰の後ろで、両腕を寝台上に突っ張り、何とか上半身を支える昌平君。
全力疾走を終えた後のような疲労感に襲われ、本来ならそのまま寝台に倒れこみたいところだが、想定外の展開に戸惑い、最低限のエチケットとして、李牧に端切れを差し出した。

「ここに出せ。」

相手が好きな女だったら、口で受け止めてもらうという行為は男の支配感を昂らせるかもしれないが、男にそれをさせてしまったことは、屈辱感以外の何物でもない。
これまで幾度となく、行かんとする道を阻まれてきたあの李牧に、口でしてもらって頂点に達し、そのまま自身の精液を口腔内にぶち撒けてしまったなど、これ以上の辱めがあるのだろうか。

今夜は立場を忘れろと言ったのは昌平君自身に他ならないが、相手は女でもなければ、想いを寄せるでもない、あろうことか趙国の宰相・李牧である。最悪だ…。

ボーっとする頭で、そんなことを考えながら、昌平君は寝台に身を沈めた。





李牧は、静かに寝台へ上がり、昌平君の横に肩を並べて寝転ぶ。
昌平君から受け取った端切れを、そっと枕元に置く。




昌平君は、寝台の軋む音で、瞳を開く。

至近距離にいる李牧の方を見やると、ふと綺麗に折り畳まれたままの端切れが目に入る。
思わず手にとり、使用された形跡がないか確かめたが、やはり未使用だった。

「出さなかったのか?」
詰め寄る昌平君。

「いけませんでしたか?反射的に体内に取り込んでしまいました。」
天井を見つめたまま、涼しい表情でさらりと言う李牧。

「俺は、そんなことは求めていない。」

「そうでしょうね。逆の立場だったら、私も同じだと思います。」

静かに続ける李牧。

「ただ、私は貸し借りの関係を作るのは嫌いです。特に今宵は、この場限りです。
先ほどの私の行動に理由をつけるなら、ひとつは、あなたの上衣を汚してしまったことを詫びる気持ち。
そしてもうひとつは、まだまだ終わらない夜への期待の表れ…といったところでしょうか。」

そう言って、真っ直ぐに昌平君を見つめた。
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