第1章 【R18】仮初め《昌平君×李牧》
額に昌平君の手の温もりを感じると、李牧は薄目を開き、ゆっくりと上半身を起こす。
「背徳感でしょうか。今夜はとても興奮していて、感度が高まっています。」
曇りのない瞳で、無邪気に言う李牧。
「それにしても、お上手なんですね。痺れるようなキスでした。」
柔らかく、微笑みかける。
ただ、感じたことの感想を素直に述べるその姿に、策士としての面影は微塵もない。
またもや、この男の魔力を感じる昌平君。
魔力の魔は、魔性の魔だ。
もし李牧が女性だったら、本当に振り回されていたかもしれないと思い、一瞬ゾッとした。
「次は、あなたの番ですよ。」
今さっき見せていた柔和な表情とは違い、今度は何かを企んでいるような怪しい視線になる。
李牧は、昌平君の下裳に手を伸ばし、ウエスト部分の紐を解く。
一度立たせて着物を床へ滑らせると、昌平君もまた、李牧と同様に産まれた時の姿となった。
李牧は、昌平君の下半身に熱を感じると、両手でそっと包み込む。
一度、昌平君の首元へ深く口付け強く吸い上げると、そのまま跪き、寝台へ座るよう誘導してから、自身の手の中にある昌平君の熱いものを、一気に口へ含んだ。
舌の全面を使い、纏わり付くように吸着させる。
吸ったり、押し付けたりを繰り返しながら、左手は右腿の付け根を、右手では、まるで宝物を包み込むかのように優しい手つきで睾丸を触る。
時折、舌先を使って先端を刺激したり、不定期に休憩を入れて焦らしてみた。
言うまでもなく、こういった場面には慣れていない李牧だが、部下の女剣士がたまに与えてくれる癒しを思い出しながら、自分自身を慰めるように実践していく。
「…ハァ…、…ァ…」
昌平君は天を仰ぎ、切ない吐息を漏らしている。
思いの外上手い李牧のテクニックに、上昇していく昌平君。
李牧が刺激を強めると、
「…い…、き…そう…だ。…は…な、せ…。」
昌平君は声を絞り出した。
李牧は聞こえない振りをして、より一層作業に集中する。
口では昌平君のそれを咥えたまま、鼠蹊部から移動させた左手も上下運動を手伝って、頂点へといざなう。
「…おい…、…離せ…、もう…限界だ…!!」
尚も止めることはない李牧。
舌と手を動かしながら、上目遣いに昌平君を一瞥した。