第2章 天国か?地獄か?
「…全ての魂がここに来るって事は、犯罪者とかもいるんですよね」
「もちろん、犯罪者も被害者もいます
私が知る限り、同じ事件の犯罪者と被害者が会ったって話しは聞いた事がありませんが…
犯罪者と言えど、ここでは魂だけなので何も警戒する必要はありません
犯罪歴をひけらかす様ならすぐに転成となるでしょう」
確かにその通りだと思った。
と言う事は…。
「それでは、人間界は元犯罪者ばかりになりませんか?」
「転成すると前世の記憶、人格全てがリセットされます
それに必ずしも人間に転成するとは限りません
動物や植物に構わず、生物なら何でも転成対象になります」
「動物や植物の魂も転成するんですか?」
至極素朴な疑問だが、気になる。
「生物全て死ねば肉体から魂が離れますが、人間以外は別の世界に行きます
そこは監視も審査もなく順番で転成していきます
ここは人間だけで、世界中の人種がいます」
「世界中の人?言葉は…?」
「先程も言いましたが、考えが直接伝わるので言葉は関係ありません
ですが難しく考える事はなく、今やってる様に普通に会話する感覚で大丈夫です
因みに私はインド人ですよ」
案内人は笑って答えた。
「魂に人種は関係ないのか…」
ある意味新鮮な驚きだ。