第3章 転生
子供の魂にも会った。
「私はイジメに耐え切れず自殺しました」
正直、ショックだった。
ニュースでは散々見てきたが、実際の被害者に会ったのだから…。
「私は転成したいです!
全然やりたいことも出来なかったし、今の私ではここにいられません」
この子はまだ人間界に未練もあるし、何よりイジメに対して恨みがあるようだ。
どれくらい時間が経ったのか分からないが、やっと知り合いに出会えた。
「久しぶり、元気…っとは言えないか」
3年前に亡くなった友達だ。
お互い苦笑いでの再開だった。
「ここの生活に慣れたか?」
「正直まだだな
監視や審査も実感ないし、ただいろんな人と話してるだけだからな」
私より3年間も長くいるはずの友人も戸惑いは隠せない。
やっと会えた友人とは長い間話し込んだ。
「転成か?俺はまだしたくないな
ここでは人間関係を気にする必要もないし、ストレス溜まらないよ
まぁ強いてあげれば、人と話す事しかすることがないくらいだ
お前はどうなんだ?」
私はまだどちらとも決め兼ねていた。
確かにここが平等で平和なのは分かったし、本当に天国なのかも知れない気もしてきた。
「まだ来たばかりだし、これから考える
まあ、ここでは時間は無限にあるから、焦る必要もないしな」
私は気長にあの世を楽しむ事にした。
end