第2章 天国か?地獄か?
「過去の偉人や英雄とかにも会えますかね?」
過去の偉人に聞きたい事はたくさんある。
「まず無理でしょう
自意識が強かったり、野心がある人はすぐ転成してしまいます
そういう人達は自ら転成する傾向もみられます」
なるほど、分かる気がする。
「では、赤ちゃんや幼児は?」
「年齢に関係なく自意識が確立していればここに来ます
まだ自意識が確立していなければ生物の世界へ行きます」
ある程度は納得出来るが、ここで最大の疑問に気が付いた。
「…何で人間だけ審査されて転成なんでしょう?
他の生物と同じ様に順番で転成させれば案内人の必要もないのでは?」
「それはここが人間の魂によって作られたからです」
予想を超える答えが返ってきた。
神様ではなく人間自身がここを作ったとは…。
「誰が…って言うより何で?」
「さすがに誰が作ったかは今となっては分かりません
もちろんどうして作られたのかも分かりません
ですが、転成したくないと強く願う魂が多かったので出来たと云われています」
転成したくないか…。
人生山あり谷あり、良いことばかりがある訳じゃない。
私はどうだろう?
また始めからやり直す気持ちがあるかと言われたら、正直今はないと言うだろ。
それは良くも悪くも精一杯生きたつもりでいるからだ。