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鬼滅の刃☆短編☆

第6章 無限列車〜救済〜


しかも、今回は自分の独断で行動した結果がコレだ。
命が助かって一安心したものの、この件で自分だけでなく師範である杏寿郎にもお咎めがあるのでは?と不安になっていた。


『(いや…待て待て待て!その前に師範…ヤバイ、めっちゃ怒ってる。これ、過去最大級に怒ってる……)』


しのぶと入れ替わりに入ってきた杏寿郎だったが、ベッドの横にある椅子に腰をかけるも、下を向き微動だにしない。

伏せられた顔からは表情が読み取れなかったが、明らかに怒ってるオーラがひしひしと伝わってきた。


『(ヤバイヤバイヤバイ…おわた…違う意味で人生おわた。)』
「雪…」
『はい、っ…』
「なぜあの時…間に入ってきた?入らなければ、君はこんな怪我などしていなかっただろう…」
『…だ、て…そうじゃ、ないと……師範、死んじゃうと思って…気づいたら、体が…動いてました…』
「俺は、そんなに頼りないか?」
『し、はん?』
「君をこんな目に合わせてまで!俺は!」


柱でありながら鬼を倒せず、大切な継子にも怪我をさせてしまった自身の不甲斐なさに顔を歪める杏寿郎を見て、雪の目からは大粒の涙が溢れ出た。


『すみま、せん…師範。本当に…あなたには死んで欲しくなくて…まだまだ稽古をつけてもらいたいですし、一緒にご飯も食べたい。千寿郎くんとも笑い合いたい…だから…』


泣きながら話す雪を見て、杏寿郎はハッと我にかえる。指の腹で涙を拭い、頭に手を乗せる。


「泣くんじゃない。君が無事で良かった…」
『うぅ…』
「俺が柱として不甲斐ないばかりに、君にこんな怪我をさせてしまった。」
『師範のせいではありませんっ…200名の乗客が無事だったのも、師範の力があったからですっ……』
「俺がもっと強ければ、君にも少年たちにも怪我をさせる事はなかった!穴があったら入りたいっ!!!」
『あの、師範…声…大きいです……』
「とにかくだ。君が無事で良かった。俺はお館様に報告せねばならん故、先に蝶屋敷を出るが、君はしっかりとここで静養するんだ。いいな?」
『はい…』


お館様に報告しに行った杏寿郎は、お咎めを受けるどころか労いの言葉を頂き、夢の中の母親の言葉もあってか、やっと自分が責務を全う出来たのだと実感した。

しかし、一つ問題があった。

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