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鬼滅の刃☆短編☆

第6章 無限列車〜救済〜


声がする方に目をやると、蟲柱である胡蝶しのぶが立っていた。
手には医療用のトレーが乗っており、治療のために部屋に入ったところ、杏寿郎が目を覚ました…という状況だった。


「ひと月も眠り続けていました。内臓がやられていて、一時は危ない状態でしたよ。」
「すまなかった。ありがとう。」


隣でカチャカチャと音を立てながら薬を配合し、点滴に通していく。


「!…雪はどうしてる!?助かったのか!?」
「そんな大声出さないでください。ここは病室ですし、体にもさわります。」
「す、すまない。」
「雪さんも一命を取り留めました。」
「そうかっ!」
「しかし、まだ目を覚ましません。」
「!?」
「こればかりは…雪さんに頑張ってもらうしか…」


出血が酷く、蝶屋敷に担ぎこまれた時には意識もなく失血死寸前までいっていた。
大量の輸血としのぶを始め蝶屋敷の人間が全力で治療にあたり、何とか一命を取り留めることが出来たのだった。

目を覚ますまでは予断は許さない状態には変わりなかった。

杏寿郎は布団をぐっと握りしめ、天井を見続けていた。その姿を背にしのぶは部屋を黙って出て行った。




さらにひと月後ーー

杏寿郎は何とか回復して、屋敷内を歩き回れるようになっていた。
驚異の回復力に、周りの隠たちも驚くかと思いきや…


「柱は別格なんで、今更おどろくことはない。」


と口を揃えていた。
そんな杏寿郎は、必ず雪が眠る病室にも訪れていた。


「一体、いつになったら目を覚ましてくれるんだ。君には言わないといけない言葉がたくさんあるというのに…」
『……』
「雪…起きてくれ。」
『…っ、し、はん…?』
「雪…!!!すぐに胡蝶を呼んでくる!」


雪が目を覚ました。
杏寿郎に呼ばれて駆けつけた胡蝶は、杏寿郎に退室してもらい診察を始める。


「あなた方は無茶をし過ぎです。鬼を倒すのも大切ですが、もっと自分の体も大切にしていただかないと。」
『ごめ、んなさ…』
「意識が戻られて、良かったです。しばらくは絶対安静です。屋敷内も歩き回ったらいけませんよ。」
『…はい…』


しのぶからお叱りを受け、雪はいろんな人に迷惑や心配をかけてしまった事を深く反省した。
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