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鬼滅の刃☆短編☆

第6章 無限列車〜救済〜


「杏寿郎、どう足掻いても人間では鬼に勝てない。」
「俺は俺の責務を全うする!ここにいる者は誰も死なせないっ!!」
「素晴らしい闘気だ…やはりお前は鬼になれ!杏寿郎!!」


炎の呼吸 奥義 玖ノ型ー
術式展開 破壊殺ー


最後の大技を繰り出す瞬間、雪の体が動いた.



『(今だ!ここで動かないと…もう後がない!!)』


「煉獄!!」
「滅式!!……!?」


雪は今までの戦いの中で、猗窩座が術式を展開する時に少しだけ間がある事に気づいた。
そのほんの一瞬の隙に、足に呼吸を集中させて間合いを詰めにかかる。
己の命を顧みず、ただただ目の前の人を助けるために…

2人の間に入った雪は、己の日輪刀と渾身の力で猗窩座の拳を右にズラし、急所を外す。猗窩座も女が入ってきた事で、手を緩めてしまうが、攻撃は確実に雪に届いていた。

杏寿郎は自分の目を疑った。
自分の視界に入る、この背中は誰のだ?
風になびく髪、羽織り、赤い刀…間違いなく自身の継子である雪のものだった。


『ぐっぅ…』
「雪!?」
「雪さんっ!!!」
「このっ、女ぁ!!」


杏寿郎と猗窩座の間に入った雪は、その肩に猗窩座の攻撃を受け、拳が半分ほどめり込んでいた。
その姿を見た瞬間、杏寿郎の頭の中に幼き頃に母親に言われた事が思い浮かんだ。


ー杏寿郎、なぜ自分が人よりも強く生まれたのかわかりますかー
ー弱き人を助けるためですー
ー弱き人を助けることは強く生まれた者の責務ですー

ー強く優しい子の母になれて幸せでしたー


すかさず、杏寿郎が猗窩座の首めがけて日輪刀を振る。


「(母上!俺の方こそ、貴方のような人に生んでもらえて光栄だった…)俺は、俺の責務を全うする!お前の頸を切り落とすまでは、絶対に逃がさん!!」
「退けぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
「あぁぁぁぁぁぁ!!」


最後の力を振り絞り、杏寿郎は手に力を込める。
そして、雪も猗窩座を逃すまいと必死で繋ぎ止める。
まもなく陽が昇る。

太陽の光を浴びてしまえば簡単に死んでしまう猗窩座は焦っていた。

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