第5章 あなたの色に染まる心
あの戦いで自分が出した技によって目に後遺症を負ってしまった雪を、杏寿郎は酷くショックを受けた。そんな杏寿郎の姿を見て雪は言葉を続ける。
『師範、そんな顔をしないで下さい。今となっては、前世の師範と私を繋げるものだったんだって思えます。』
「雪…」
『例え色が分からなくても、きっとあの頃と同じで、お日様のように明るく素敵な色なんだろうなって思います。』
「君と言うやつは…」
『わっ!…師範、苦しいです…』
雪の言葉に、杏寿郎の心は締め付けられるようだった。握っていた手を引き寄せ、そのまま抱きしめる。
「もう2度と俺の側から離れないでくれないか?」
『はい、はい!ずっとお側にいさせてくださいっ、』
翌日ーーー
『カナヲ!』
「雪、どうしたの?」
『カナヲ、今までゴメンね。ずっと思い出せなくて…』
「…!もしかして…」
『うん。全部思い出したの。師範とのことも皆んなとのことも…』
「…良かった…良かった。」
『ありがとう。』
カナヲに昨日の出来事を全て話し、2人は笑い合った。
鬼殺隊ー
遥か昔、人々を鬼から守り平和をもたらした組織ー
自分の命をかけて戦い抜いた隊士たちー
今世では幸せな人生となることを願ってー
Fin.