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鬼滅の刃☆短編☆

第1章 実弥との出会い


しかし、この時の実弥は思いもしなかった。
雪が今回の任務で大怪我をして帰ってくることを…





『鎹鴉によるとここのはずなんだけど…』


雪は人里離れた森の中に来ていた。鎹鴉の情報によると、鬼が現れ村人を襲う…との事だったが見渡す限り人がいる様子はない。


『本当にここなの?人の気配が全然ない…』
「マチガイナイ!ココデナンニンモクワレテイル!」
『ちょっと調べてみよう。』


雪は鴉と一緒に森の中を歩く。少し奥に入ると、鼻をつく嫌な臭いが充満していた。


『ぅわ…すごい血の匂い。君の情報は間違ってなかったね…ただ、何の気配も感じない。』
「オニノケハイガナイ!」
『これだけ人が喰われてるのに…何の気配もないのは変だ…』


雪が辺りをぐるっと見回すと、突然声が響いてきた。


「鬼狩りちゃん、感が良いなぁ!」
『鬼?!どこだ…出てこい!』
「女の子が出てこい!なんて言葉使ったらダメだよ?」
『っ?!(いつの間に後ろへ?!)』


背後に現れた鬼に気づき、その場から離れると同時に日輪刀を抜く。戦闘態勢に入った雪を見ても、鬼は動じる事なくその場に立っていた。


『…十二鬼月…ではなさそうね。ここで人々を喰っていたのは貴方の仕業?』
「そうだよ。僕は十二鬼月じゃないし、ここで人を喰ってたのも僕。」
『そう。なら、ここが貴方の墓場になるわね。』
「残念ながら…君には出来ない、よ!」
『?!』


瞬きをした一瞬のうちに目の前から消えた鬼は、背後から日輪刀の刃を抑え細い首に爪を当てがった。
雪は身動きが取れずに一気に冷や汗が出る。


『(柱並みの速さ…なのに十二鬼月じゃないってどういう事?!)』
「君の首は細いねぇ。すぐ折れちゃいそう。」


ケタケタと笑う鬼に対して雪は成すすべもなく、ただ握った手に力を入れるだけだった。


『貴方の目的は何なの?』
「やっぱり鋭いね!そういう人間は嫌いじゃないよ。しかも君…10年前の生き残りだろう?」
『何故それを!……ぐっ‼︎…』
「返してもらうよ、僕の大事な物。」


雪の横腹に鬼の手が食い込む。
気を失うほどの痛みが身体中を駆け巡るが、雪は何とか意識を保つ。



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