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鬼滅の刃☆短編☆

第4章 私を受け止めてくれた太陽


急に今までとは違う、相手に語りかけるようなトーンになった杏寿郎を不思議に思い視線を向けると、杏寿郎の視線とぶつかる。


『炎、柱様…?』
「何か事情があるのだろう。」
『っ、…』
「これまで、柱となった者に直接支援係が付くことなんて無かった。しかも、お館様直々とあらば何か事情がある…容易に想像がつく。」
『…理由を…お聞きにはならないのですか?』


杏寿郎の言葉に、膝の上に置いた手をギュッと握る。
話したら失望されるのではないか、追い出されるのではないか…そんな事になったらお館様の命を遂行出来ない。そうなれば、自分は隠としての仕事も全う出来ないのか……そんな考えが雪の頭の中を駆け回り不安になる。

しかし、杏寿郎の口から出た言葉は不安をかき消すものだった。


「いや、雪から話してくれるのを待つつもりだ。無理強いはしたくない。余程の事があるのだろう。理由を話さないからと、ここから追い出す事もしない!」
『〜っ!ありがとうございます。』
「しかし、そんな状態の時に悪いのだが、明日、俺と一緒に鬼殺隊本部に行って欲しい。」
『…えっ、』
「頼まれた事があるのだが、俺1人では難しくてな!人手がいるんだ!」
『あ、そういう事でしたら、ご一緒します。』
「そう言ってくれると助かる!あと、俺の事は杏寿郎と呼ぶと良い!」
『んなっ?!それは出来ません!』
「それは俺が困る!」
『私も困ります!』
「しかしだな!」
『〜〜っ、では!杏寿郎様はどうでしょうか…』
「うむ!それで手を打とう!」


何を言い出すかと思えば、隠にとって呼び捨てなど言語道断!それを言ってくるあたり、信用してもらえたのだと思えるのだが…とんでもない!と思った雪は、何とか名前に様を付ける事で着地した。
その後は、他愛のない話をして各々の部屋へと入っていく。


『(私……心臓もつかな……)』
「(やはり、屋敷に誰かが居るのは良いものだな!)」


今までの日常がガラリと変わり、互いに思うことはあるものの、新たな生活が幕を開けた。
それと同時に波乱の1日がすぐそこまでやってきていた。


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