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鬼滅の刃☆短編☆

第4章 私を受け止めてくれた太陽


杏寿郎の返答に間があったのが気になったが、風呂に入ってくる!といって奥に行ってしまった杏寿郎に慌てて声をかけ、雪は居間にご飯を並べる。


『お風呂の準備もしといて良かった!後は炎柱様が来られるのを待つだけ…うん、初日から何とか上手く出来てる気がする!』


1日、大きな失敗もなくやり遂げる事が出来た雪は、小さくガッツポーズをする。


「旨そうな匂いだ!」
『ぎゃあっ!』
「よもや…」
『も、申し訳ありません…』


やっぱり、杏寿郎の声には驚いてしまう。





「うまい!うまい!」
『お口に合ったようで良かったです!』


ご飯を茶碗によそって差し出せば、杏寿郎はバクバクと食べ始める。すると、一向に食べ始めない雪を見て杏寿郎は言葉をかける。


「君は食べないのか?」
『私は、炎柱様が食べ終わった後に食べますので。』
「一人で食事をしても、せっかくの美味しいご飯が台無しだ!君も一緒に食べると良い!」
『そんな!柱様と食事を共にするなど…』
「君はそればかりだな!ここでは気にする必要はない!俺が良いと言っている!」
『…では、お言葉に甘えて…いただきます。』
「うむ、そうするといい!しかし、うまいな!わっしょい!」


今日1日で分かったこと、杏寿郎は一度言ったら絶対に折れないということ。
いくら隠の身であるという事と柱との立場の違いを説明しても、"俺が良いと言っている!"で終わってしまう。
"いやいや…"と食い下がる事も出来ないため、あまり深く考えないようにして、杏寿郎が任務に集中出来る様に屋敷の事を出来るだけしよう!と、雪は食べながら思った。


「風呂に入ってくると良い!後は俺がやっておこう。」
『?!…あ、ありがとうございます。』


夕餉の片付けが終わって布団を準備していると、着流しに着替えた杏寿郎がやってきて告げる。
見慣れた隊服とは違う雰囲気に、雪は息が詰まった。慌てて目を逸らし、そのまま部屋を出る。


『(あんなにも雰囲気が変わるもんなの?!…思わず目を逸らしちゃった…)』


自分の頬に両手を当て、顔の火照りをそのままに雪は風呂場へと向かった。
体を洗い、湯船に浸かっている時、ふとお館様の言葉を思い出す。
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