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鬼滅の刃☆短編☆

第2章 前世と今世〜不死川先生〜


「お前は昔から好きだったからなァ、こうされんの。」
『ど、うして先生がそれを…』
「雪、思い出せ。お前の…俺たちの過去を。」


実弥が言い終わるのと同時に、窓の開いていない部屋に風が巻き起こる。実弥と雪の間を通り抜けた瞬間、雪の頭の中に走馬灯のように記憶が浮かび上がってきた。


ー風柱様!ー
ー雪、テメェ…また任務でヘマしやがったなァ。ー
ーな、なぜソレを?!ー
ー修行のやり直しだァ、来いや。ー
ーいやぁぁぁぁ!!ー


ー風柱様、お慕いしております。ー
ー名前でいい。ー
ーえ?ー
ー恋仲になるってーのに、堅苦しいだろぉが。ー
ーはいっ、実弥様!ー
ー様もいらねェ。ー
ーそ、それは無理です!恥ずかしくて、あの…ー
ーッ、チッ。ー


ーおいっ!雪!!ー
ーさ、ねみ、様。ー
ー喋んじゃねェ!!今助けてやるから!ー
ーすみ、ません。あなた、を、残し…て…ー
ーだったら、傷を治して戻って来い!ー
ーあなたを、好きにな、て…しあわ、せ…でした。ー
ー雪!雪!!!ー






『実弥様…』
「!…雪?…」
『実弥様、随分とお待たせしてしまいました。』
「っ…」


動けないでいる実弥の手を握り、優しく微笑む。
実弥は、自分に向けられる笑顔と、雪を纏う雰囲気が先程までと違う事に気づく。やっと、記憶を取り戻したのだと分かったら体が動いていた。


『実弥様、苦しいです、』
「うるせェ。黙って抱きしめられてろ。」


雪の手を引き、自分の胸元に納めると離すものかと言わんばかりに腕に力を込める。


「遅ェんだよ。」
『申し訳ありません。時間がかかってしまいました…これからはずっとお側におります。』
「当たり前だろォが。」


しばらく抱き合ったままの2人だったが、下校のチャイムが現実に引き戻した。


『でも…今の時代では先生と生徒になってしまいました。』
「あ?昔も同じようなもんだったろ。」
『昔は師弟関係です!せっかく記憶が戻ったのに、気軽にお側にいれないのがもどかしくて仕方ありません。』
「お前…勘弁しろよ…」

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