第2章 前世と今世〜不死川先生〜
雪からの言葉に、実弥は顔に手を当てる。
どういう意味か分かってて言っているのか…昔からこういう奴だったなァと、これからの苦労が目に見えてしまった。
「(耐えろ、俺。)」
『どうかされましたか?』
「何でもねェ。とりあえず…帰るぞ。」
『あ!その前に職員室に寄っても?』
「…あぁ、知らせてやれ。」
〜職員室〜
『失礼します。』
雪が職員室に行くと、ちょうど杏寿郎と天元が帰り支度をしているところだった。
「おー、白羽か。派手に残ってやがるなぁ。さっさと帰れよー。」
「もう外は暗くなってきている!夜道は危ないからな!」
『炎柱様も音柱様も変わらずでいらっしゃいますね。』
ドサッー
「お前、その口調…」
「よもや!!記憶が戻ったのか!?」
「おい!どういう事だ、不死川!」
「どうもこうも、戻ったんだよ。」
『お久しぶりでございます。』
炎柱様、音柱様…昔の雪が使う呼び名で呼ばれた2人は、荷物を落としたまま駆け寄ってくる。
「おいおい、随分と待たせてくれんじゃねぇの!」
「だが、記憶が戻ったのは喜ばしい事だ!」
「ま、これからは不死川が大変だけどなぁ?」
「チッ。」
ニヤニヤと実弥の方を見る天元。
実弥は鬱陶しそうに顔を背けて、舌打ちをした。
『これからも、よろしくお願いします。』
「「もちろんだ。/もちろんだとも!」」
次の日、炭治郎・善逸・伊之助・カナヲ・玄弥にも記憶が戻ったことを伝えると、みんな涙して喜んでくれた。
特に善逸は号泣しながら抱きついて喜んでおり、たまたま通りすがった実弥に窓の外へ放り投げられてしまった。
これが後に、スマッシュブラザーズ2事件として語り継がれていく事になるのは誰も知らない。
Fin.