第2章 本の世界へ…
美味しそうな料理とかもあったけど、触れないって事は食べられない。
「あれ美味しそう…」
その時、私のお腹がぐ~っと鳴った。
「真紀ちゃん、お腹空いてる?」
「ミケランのバカ!」
私は真っ赤になってそっぽを向いた。
舞踏会は王子様が登場して最高に盛り上がった。
たくさんの女性が王子様に群がって来たが、王子様はキラッキラな笑顔で断っていた。
その中にはシンデレラの姉達もいた。
「ねぇミケラン、シンデレラはどこ行ったの?」
私はシンデレラを探したけど見つからなかった。
「シンデレラは広間の一番奥にいるから、ここからじゃあ見えないよ」
「それじゃあ王子様も見付けられないんじゃない?」
「大丈夫、王子様はちゃんと奥まで行くからね」
心配しながら見ていると、王子様は来客一人一人に挨拶して回っていた。
そして遂にシンデレラと対面した。
パッとスポットライトが当たったように二人が輝いたと思った。
「そろそろクライマックスだよ」
王子様はシンデレラの手を取り広間の真ん中に連れ出した。
それまで踊っていた人達は、王子様の為に場所を開けた。
たくさんの人が見守る中、二人は優雅に踊り出す。
「やっぱり素敵…」
しばらく踊りを見ていると、突然シンデレラが踊りを止めて逃げる様に走り出した。
王子様が慌てて追いかけて行く。