第2章 本の世界へ…
私達がお城に着いた時には、もう町より賑わっていた。
「舞踏会にみんなが集まって来てるね」
お城には舞踏会に出る貴族達が次々と馬車で訪れている。
馬車からはドレスに宝石でおめかしした貴族が出てきた。
「うわぁ~華やかね♪」
私はその煌びやかな世界に浸っていた。
「そろそろシンデレラのカボチャの馬車が来る頃だよ」
しばらく見ていたら一際輝いているさっきの馬車がお城に着いた。
「…素敵」
出て来たシンデレラは私の想像を遥かに超えた美しさだった。
私がシンデレラに見惚れているとミケランが「お城に入ってみる?」と聞いてきた。
「え~っ!お城に入れるの?
入っていいの!?
入る!入る!入る!」
私は大喜びしてミケランを抱き上げた。
「言ってなかったけど、僕らは本の人達には見えてないんだ
だから、お城に入っても誰も気付かないよ」
「そうなんだ…
それじゃあ、話したり触ったりも出来ないの?」
「そうだね
それ出来ちゃうと物語が変わっちゃうからね」
ミケランは苦笑いしてるように思えた。
「舞踏会が始まっちゃうよ」
ミケランは普通にお城の中へ入って行った。
「待ってよ!」
私は慌てて後を追った。
エントランスから階段を上ると舞踏会場の大広間。
オーケストラの生演奏が流れ、たくさんの人が踊っていた。