第3章 ハッピーエンド
「でもね、さっきも言ったけど…
本の神様は、そんな本の中の人達が幸せに感じる様にしてくれてるんだ」
私はちょっと思い出してみた。
「う~ん、本が読まれるほど幸せに感じるって事?」
「そう♪だから真紀ちゃんがいっぱい本を読んでくれれば、本の中の人達はいつまでもハッピーなのさ」
そういうものなのかな?と、ちょっともやもやが残るけど、本の中の世界なんて私には到底理解出来ないのかも知れない。
「じゃあ、そろそろ帰ろうか」
「うん」
ミケランが「本より出でよ」と叫ぶと、眩い光りが起こり私は目を閉じた。
目を開けると広場の切り株の上にいた。
周りには、ドナルドやマイケルやジュリアがいる。
「お帰りニャ」
「本の中はどうだったワンか?」
「真紀ちゃん、楽しかった?」
みんなの言葉に「うん…楽しかったけど…」と言葉に詰まってしまった。
「ニャんだ?ちょっと落ち込んでニャいか?」
「…だって、同じ毎日の繰り返しなんて…」
「物語は何回読んでも変わらないワン」
「それはそうなんだけど…」
「真紀ちゃんは優しいのね
せっかくハッピーエンドになったのに、また最初に戻っちゃうから可哀相だと思ったんでしょ?」
「うん…」
やっぱりもやもやが残っている。
その時、天から声が聞こえた。