第3章 ハッピーエンド
『大丈夫じゃよ
これをごらん…』
私の目の前に本の中の世界が映し出された。
「これは…」
私は目を疑った。
そこに映っていたのは、シンデレラや王子様だけじゃなく、町の人達や貴族やシンデレラの姉達もみんな笑顔でパーティーをしていた。
『ほほほっ
物語が終わって、翌日までの時間は全員で打ち上げパーティーを開くんじゃよ』
天からの声は優しく穏やかだった。
「そうだったんだ…」
私は嬉しくてちょっぴり涙ぐんでいた。
『さて、ミケラン!
司書であるなら、ここまで見せてあげなければいかんぞ!
それに扉の管理もしっかりしなさい!』
天からの声が厳しくなり、ミケランを叱った。
「ご、ごめんなさい!」
ミケランは耳を垂れ下げ縮こまってしまった。
『罰として、一週間外出禁止じゃ』
「はい…分かりました」
そんなミケランを見て可哀相になった。
「あの~ミケランの事、許してあげてほしいの…
ミケランのおかげで本の中にも行けたし、凄く楽しかったから…」
天からの声がまた優しい声に戻った。
『真紀ちゃんは優しいのぅ…
ミケラン、真紀ちゃんに免じて許してやるが、司書としてしっかり仕事するんじゃ、分かったな!』
「はい!」
ミケランは耳をピョコンと立てて返事をした。