第1章 もうしばらくこのままで ※R18
その日の夜、私はリヴァイの部屋へ向かっていた。
(遅くなっちゃったな...)
資料整理をしていたら、もうこんな時間...
足早に進む兵士寮の廊下ですれ違う人はいない
一----コンコン
寮にある他の部屋とは違い
良質な木でできた頑丈そうな扉を控えめに叩く
ガチャッ
返事は無かったがすぐに扉は開かれる
そこには眉間に皺を寄せたリヴァイが立っていた
「いつまで待たせるつもりだ」
舌打ちをしたリヴァイに
勢いよく腕を引かれ部屋へ入る
「お待たせ...しました...」
申し訳なさから俯きながら答えると
今度は優しく腕を引かれ
すっぽりとリヴァイの腕の中に収まる
「心春...」
さっきまであんなにぶっきらぼうだったのに
いきなりこんなの、ずるい...
「リヴァイ、おかえりなさい...」
リヴァイはここ数日
駐屯兵団の基地へ泊まりがけで出向いていた
数日とはいえ久しぶりに感じる
大好きなリヴァイの香り、温かさに
うっとりしながら
私はまだ言えていなかった言葉をかけた
「あぁ、ただいま」
リヴァイはわずかに頬を綻ばすと
優しく頭を撫でてくれる
骨張っていて所々傷の跡が残る
男らしいリヴァイのこの大きな手
離れていて不安だった気持ちを
宥めるように動かされるその手に
スリスリと顔を寄せる